いい質問です。

二点あります。
着想段階から歴然と違うと思います。
普段のシベリアンの楽曲を考えるときよりは楽でした。
理由は単純なんですが、まず一点は今回は制限があったことに起因すると思います。
今回、フラグメンタに関しては事前に黒田さんからイメージを聞いていましたし、それを踏まえて帰宅したときに、スラスラと書き始められたので楽でした。
加えて、先に作品の持つ情緒を生かせればいいという、サイドワーク的な仕事も始めてだったので面白みを感じて集中力が途切れなかったのが上手く空回りせずに、
作用したというのが、シベリアンよりは楽だったと思います。

シベリアンというメインメニューばっかり作ってたシェフが出張で、ほかのレストランの付け合せを作るといった楽しさかな…。
そういう役を演じるようにして、新鮮なテンションを楽しんでました。

0から1を作る手順がスムーズに行くと創作する側としては嬉しいものですが、
(1)の質問でもあったように途中で随分迷路の中へ入り込んでしまったり、
フラグメンタのレコーディングで二回失敗したりと予想通りの展開になりました。

もう一点は、気の使い方が違います。
シベリアンの場合はこれまでの楽曲で何を提示してきたかが、そして何を捨てて何を残して何を吸収して、何を忘れたのかが、次の作曲の原動力となったりすることが多いのですが、今回の「百年後の博物館」に関していえば、それについての推察はなかったです。
その分、散文的に発想が出来ましたし、相対的に考えてフラグメンタはシベリアンの作品というよりも
「百年後の博物館」というものが生み出した作品と捉えたほうが、
この曲の説明にあってるかなと思います。

→(4)へつづく




(1)タイトルの「フラグメンタ」とはどういう意味ですか?
(2)そもそもなぜ展覧会のテーマ曲を作ることになったのですか?
(3)SIBERIAN NEWSPAPERの作曲との違いは?
(4)何をイメージして作りましたか?
(5)出来上がったものを客観的に聞いてどう思いました?