いい質問です。

フラグメンタ【fragmenta】は断片や断章を意味する英語の【fragment】の元になったんではないかと言われる言葉で古語に入ると思います。
曲に付けるタイトルというのには沢山落とし穴があるんですよ、曲はいいのにタイトルがヒドくて世間様から見向きもされずにほったらかしになってる曲のいかに多いことか。
それを踏まえて「百年後の博物館」のもつ雰囲気に沿うよう、石橋を叩いて渡る気分で命名しました。
しかし曲に全く関係ない曲名かと言われればそんなこともなくて事実、曲も大きく分けて断片的な三部構成になってます。

1.時間の概念について
2.物質的な概念について
3.感情の概念について

こういった衒学的な発想から曲を作っていくのは非常に楽しいものでした。
難しかったのは、この3パートはどこにはめ込んでもおかしくないように出来ているんですが、それを実現するのに骨が折れました。
例えば1.2.3といった流れを1.3.2と入れ替えても曲として成り立ち、違う模様の作品として楽しめるという、そういう細分化したマテリアルな視点で曲の空間を演出してみたことです。
思いついたときには「こりゃ、おもしろそうだよ」って取り掛かったのですが、一旦入ったらまるで真夜中の広大な森に入った感覚に似てて、方向感も危うくなり出口を探すのに大変でした。

ワケがわからなくなったら、筆をおいてふて寝して、また書いて、また迷って、またふて寝しての繰り返しで日進月歩そのままでした。

それがフラグメンタです。

→(2)へつづく




(1)タイトルの「フラグメンタ」とはどういう意味ですか?
(2)そもそもなぜ展覧会のテーマ曲を作ることになったのですか?
(3)SIBERIAN NEWSPAPERの作曲との違いは?
(4)何をイメージして作りましたか?
(5)出来上がったものを客観的に聞いてどう思いました?