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黒田 何で今回ウォーリーにこの話をお願いしたかというと、今まで何回も言ったことがあると思うけど、「スペースラブ」(劇団☆世界一団作品)の中で砂の研究をしてる科学者がいて、砂っていうのは気持ち悪い、と。いくら掃除しても知らないうちに隙間から入ってきてる、どんな密室であろうがどんなに密閉しようが知らないうちに入ってきてる、生物でもなんでもないくせに。
ウォーリー なんかドキュメンタリー撮ってるんですよね。砂漠の絵面だけを延々写してるっていう。
星川 ですよね、って(笑)
ウォーリー (笑)。
黒田 出てくるのはドキュメンタリー作家で科学者じゃないんだよね。
ウォーリー ああ、そうでしたっけ。
黒田 科学者のドキュメンタリーも撮ったことがあって、そういう科学者が居たっていうのを、独白しながらずっとドキュメンタリー撮ってるねん。
ウォーリー ああ。
黒田 なんで覚えてへんねん(笑)。
ウォーリー あれスペースラブの再演のときに新キャラが必要で、どうしても。付け足したネタだそれ。よく覚えてますよね。ほんとに忘れてた今まで(笑)。ああ、ありましたね。
黒田 うん、ありましたよ(笑)。あれのイメージがまずあったのね、あれと初演の「スペースラブ」から続いてるロボットの・・・。
ウォーリー ハッカ(という登場人物)?
黒田 そう、僕は小学校のときにロボットになりたかったことがあったから。みんなにその話をすると、強くなりたかったん?って必ず言われる。鉄腕アトム的な。
星川 そっちのロボット?
黒田 そうじゃない話だったんですよ。感情をなくしたい、と。いろんなことで感情を揺さぶられるのが嫌やからロボットになったっていう話やったんですよ。まさにその内容までぴったりきてたんでびっくりして。その後にさっきの砂の話があって、随分後に「世界一団の博物館」っていう作品があってという、僕の思いと世界一団の作品がシンクロしてるところが多々あって。だから展覧会で一緒にテキストを書いてもらうって時に、ウォーリーやったらおもしろいな、って思った。
ウォーリー なるほどね。僕がすごい覚えてるのは、たぶんそれも同じ「スペースラブ」の頃だと思うんですけど、黒田さんが個展を開催した時に、鉄、砂、石などの鉱物と植物や人間を人はどうも別物として考えてる、それがおかしいという話を延々して。
黒田 僕が延々して(笑)。
ウォーリー でもそれすごい一理あるなあって思って。
黒田 差別がきらいだ。本当は全部同じでしょ。っていう。
ウォーリー 鉱物差別。あの話はおもしろいですよ。
黒田 ちょうどその頃エコブームがあって、コンクリートとか鉄はダメでプラスチックもダメで、自然の木の家に住んで紙を使って、って何を言っとんじゃと思って(笑)。人間が造ったビルはダメで蟻が造った蟻塚は自然物でOKなんか?それって差別やろ!っていう話をずっとしてた(笑)。
星川 (笑)。
… とまあそういう訳(ホントはこのトーク、もっと続くんですけど、ここから先は脱線しまくりなので割愛)で、ウォーリーさんに「百年後の博物館」の物語を書いてもらうことになりました。来年の展覧会の情報も決定次第、お知らせしますね。まだまだ面白いこと、企んでますよ。

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