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イントロダクション

どうも。プロデューサーの星川です。
突然ですけど、おしらせです。来年の2月にHEP HALLで黒田武志さんの展覧会を開催します。黒田さんと言えば、HEP HALLのお客さんなら、演劇のチラシのデザインでご存知の方が多いんじゃないかな。あとは維新派の舞台美術家として。今回は、どちらかと言えばそっちの顔じゃなくて、芸術家(って何?)黒田武志の作品を皆さんに味わってもらおうという企画。題して、黒田武志展「百年後の博物館」。どんなものにしようと思っているかは、以下のトークを読んでいただくとして、いきなり展覧会ではなくて準備期間からお楽しみいただこうと、黒田さんと度々一緒に作品を作ってきた作・演出家のウォーリー木下さん(劇団☆世界一団からsundayに続くチラシは黒田さんのお仕事ですよ。)に同名タイトルの小説を連載してもらうことにしました。月1連載で全6回。作品タイトルから流れ出るそれぞれのイメージのかけらが共鳴して、皆さんのイメージが豊かに膨らんだらとってもうれしい。ぜひこの小説読んで、楽しみに展覧会をお待ちください。 ちょっと前置き長くなりましたが、連載開始の前に、先日、僕と黒田さんとウォーリーさんで集まってお話ししたことをプロローグとして掲載します。

オブジェ
対談:黒田武志 × ウォーリー木下
8月中旬、@黒田さんの仕事場オフィスサンドスケイプにて

星川 タイトルはほんとにぽっと出た感じですもんね、黒田さんの口から。
黒田 元々僕は、以前に「不純物100%」という展覧会をして、自分でも気に入ってたし反応も非常によかったので、それを第2弾の作品集のタイトルにしようと思ってて。で、それにあわせて企画展のアイデアを持っていったので、そのタイトルにしたいって話をしてたのね、スタートは。
ウォーリー なるほど、そうなんだ。
黒田 そのときにまあ一回やってるからっていうんで、じゃあ(「不純物100%」の)2にしますかって話になって。分かり易過ぎるけど分かり易いほうがいいかなっていう指摘もあって、一回持って帰ってそれからもう一回話しをしたのかな。その時に、空間イメージはどうなんですか、具体的にどんなことがしたい?って話になって、単に作品だけを並べるだけだと面白くないし、ホール側として僕に期待してること。たとえば演劇ファンの人で僕の名前で興味を持つ人って言ったら、舞台美術的なものを見たいところもあるんじゃないかっていう話があったのね。それで、元々僕がずっとやってきたギャラリー内ギャラリー─サーカス小屋みたいにギャラリーの内側にもうひとつギャラリーができて作品が飾ってあってそれがサーカスみたいにあちこちに移動して時には外でもやれたらベスト、みたいな─の話をしたら、じゃあそんなんのほうがいいんちゃう?って話になって、で、博物館。僕が「百年後の博物館」みたいなの、っていうのをぽろっと言ったのが、それが意外にイメージが膨らむ、という話になって。もうそのタイトルでいいんちゃう、みたいになって(笑)。
星川 美術展ってタイトルでイメージしにくいでしょ。
ウォーリー まあそうですね。
星川 やっぱり名前でひっかかってもらえるっていうのは、最初のひっかかりとしてはありやと思うんで。
ウォーリー 物語がありますもんね、そのタイトルにね。
黒田 僕のオブジェは博物館にありそうな感じのボックスアートもあるので。
星川 タイトルと内容を変える必要はなくて、ほんとにそのままな感じやし。やるんやったらギャラリーでやることとは違うことをしないとHEP HALLでやってもらう意味がないんで。それならね、一からちゃんと創るっていうのはギャラリーではさすがにできないよねっていう話で。

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