2008/1/24〜27@HEP HALL 告知でした
チャタンって読みます。ケラマ諸島を望むダイビングのメッカ。いいところですよ
この21世紀の日本にもヒッピーっているんですねえ
60年代ヒッピーのカウンターカルチャーのアンチヒーロー。ゲイ詩人ですので息子はいないでしょ、あんた。
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秋から冬にかけて、「不眠症の不眠症による不眠症のためのコント教室」という長い題名の演劇の稽古が始まった。そこで久しぶりに井田武志に会う。そういえば沖縄はどうだったのだろう。
「いやあ北谷ってとこに行ってきたんですけどね、近くにアメリカンビレッジていうどうしようもない巨大ショッピングモールがあって、そこでアホみたいにTシャツ買って、それから基地の近くのアダルトショップ行って、そこが直輸入で見たことないようなもんばっかで、世界中の人種のダッチワイフがずらっと並んでて笑っちゃいましたよ、でクラブ行って聴きたくもないレゲエ聴きながら泡盛三昧で、その後はナンパして、地元の人とやりまくりましたよー。沖縄サイコー!ラフテー!」と、嬉々としてしゃべっていた。やりまくった件については今僕が勢いで書いてしまったが、手土産一つもなしで帰ってきたことへの制裁だ。そんなこんなで、遅れてきた北風とともに月日は過ぎ去り、いつの間にかクリスマスやら忘年会やらコント教室やら卓球大会やらウコンの力やら、そんな多種多様な現実的実務に追われ、吉沢さんのこともミイラのことも頭からすっかり抜けていた。

ある寒波の夜に、コーコさんからメールが届いた。
件名には、弥勒の会について、とあった。

差出人:こーこ〈koooooko@△△△△.ne.jp〉
件名:弥勒の会について
本文:元気? 私は先日まで吉野の山奥でやってるヒッピーの集まりに行ってました。いわばレインボウ・ギャザリングの日本版みたいなノリなんだけど、今年はトランスパーティ状態でだいぶがっかり。でもアレンギンズバーグの息子と名乗る白人のおっさんと2人で朝までトランプしたのは最高に楽しかった! ビバ!トランプパーティ!
それはそれ。すっごい遅れちゃったけど、例の団体のこと調べたから教えるね。
弥勒の会の創立者は北見咺伍朗。このおっさんは今90歳で、実質的には息子の北見幽遠って人が実権は握っています。本部は堺市にあって、会員数は約860人とかなりこじんまりとした在家団体。いわゆる布教活動やお布施と呼ばれるたぐいのものは、手に取ってみて見る限り、やってないの。これがこの団体が当局からノーマークであるところの最大の所以ね。
よって近隣トラブルも一切なし。といっても実際は山のなかにある本殿と呼ばれる聖地に籠って祈祷とかしてるわけなんだけど。
教義や説法に関してとりたてて非専門家のあなたに伝えて喜ぶようなものはないと思う。
やはり薄気味悪いのは、ミイラのことね。ここでちょっとだけミイラの話をするね。
日本のミイラ(即身仏)の他所との違う点は、自力でみなミイラになってるってこと。人の手は借りない。地獄のような修行を積んで、その先に「(土中)入定」って言うんだけど、自ら進んで掘った穴の中に入るの。生きたまま。そこで鈴を鳴らし続ける。鈴の音が鳴り止んだら、それが完成の合図ってわけ。
特に想像を絶するのが「木食行」というプロセス。いわゆる徹底的な食事制限。これによって体内から水分や脂肪を取り去って骨と皮だけの体にするの。そして仕上げに漆を飲み、漆って飲めるの!? ミイラになりやすいように、肉体を鉱物化していく。すごいと思わない? 肉体ってさ、気合い入れれば石とか木とかに近づけれるのよ!
私のマクロビオティックなんて足下にも及ばないって感じ。
自らの肉体と精神を崖っぷちまで追いつめて、即身仏になる前に崖から落ちちゃう僧侶だってたくさんいた、その先にある永遠の命を手に入れ、世界の幸福を祈る。
これがおおまかな日本のミイラ、つまり即身仏なんだけど。

話を戻して、「弥勒の会」が信仰の対象にしているミイラは、果たしてどっちかっていうことよね。日本式即身仏なのか、それともエジプト式ミイラなのか。もちろん、今の時代、生きたままミイラになるなんてことは法律的にできない。それは自殺とみなされるし、もしそれを宗教の教義として行ってるなら、殺人幇助に問われる。だから実際は、表向きは、ここのミイラは死んだ人を防腐剤やらなんやらで、保存しているということになっている。しかしね、どうも怪しいのよ。本殿への立ち入りは禁止だし、信者の数が少ない割に、死亡者の数は多いの。
それとこれはあくまでも噂だけど、自殺志願者のサイトってあるでしょ。あれに絡んでるって。もちろんこれは推測だけど、もしも自殺するつもりの人がここにやってきたらミイラになることを恐れないんじゃないかしら。

でね、おそらくあなたが博物館で出会った女の人のこともわかったよ。
名前は大久保美樹子。会員名簿の中で、それがなぜ手に入ったのかは教えられないけど、貝塚出身で20代の女性、さらに弟がいる条件に当てはまるのは一人しかいなかったから。ちなみに大久保美樹子の母親は、旧姓高橋めぐみ。父親は大久保浩二、大手製薬会社に勤めてる。
彼女は今、「八十日お行」という修行に入ってるらしい。いわゆる山籠りね。今頃滝でも浴びてんじゃないかしら。
正直、これ以上首を突っ込まない方がいいんじゃないかな。私は長年こういう仕事をしてるからわかるんだけど、もしもあなたが彼女を脱会させてやりたいのなら、法的な手続きをとった方がいいと思う。
これは直感ではなくて、経験の話ね。
それじゃあまたなにかあったら連絡ください。

コーコ


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