【イベントレポート】HEP HALLからの脱出2─再び閉じ込められた人々は、いったいどうなったのか?
この部屋はとても不思議だ。まるで時間が過ぎていかないような感覚になる。部屋にはさきほどから妙な男がふらふらしている。彼は何をするでもなく、ぼんやりと誰かの命令を待っているかのようだ。そう彼は待っているのだ。すべての命令が余白なく下されることを。私は動けない。私は漢字遊びに興じている。ここはまぶしすぎる。闇を作り出すためにはどうすればいいだろうか?私は動けない。私は動けない。あの本棚に赤い本が入れば、私はまた姿を現すことができる。しかし、私が動き出すためにはいくつかの奇跡が必要だろう。誰か、誰か、私を助けて。
気がつくとあなたは、こんなメモを手に、たくさんの人と一緒に椅子に座っていた。
前面には幕とその前に頑強な柵が、またベルトコンベアらしきものがある。
まわりには、
ほうき? 金庫? 黒いボード? 机の上にマイナスドライバーと何かの台紙がある。とそこへ一人の男が登場して、一言告げる。
「あなたたちはこの部屋に閉じ込められました。いくつもの謎を解き明かし、最期の鍵を見つけなければここからでることはできません。制限時間は60分。ではスタートです。」
ということでお待たせいたしました!SCRAP加藤さんの宣言とともに始まった「HEP HALLからの脱出2」。詳細レポートお届けします。
ひとつの記事としては過去最大のボリュームになってしまいました。(写真が50枚以上!)参加した人もしていない人も、ぜひお楽しみください。
いきなり宣言され、途方に暮れる人、素早く動き出す人、それぞれ。
もはや定番の椅子の裏。
やっぱりほうきは気になりますね。
半年ぶりに見た光景。(前のは→コチラ)
どうやらジグソーパズルの台紙のようです。様々なところで見つかったピースを嵌めていくと…
完成!お、今度は数字パズル。
●×▲■の数字は出たけれど…
そういやこんなボードが見つかりましたよ。他にも言葉が書かれたカードが多数。このボードと、
床に引かれた線が対応していたのでした。線で区切られた区画が、それぞれの記号の数と同じだけの人数になったら、
ピロリン♪って音が鳴って、客席前方の幕が開きました!いよいよ、脱出2のメインの舞台が登場です。
部屋の中に男が一人、座っている。部屋には本棚、ベッド、サッカーボール、ゴール、3色の回転灯などがある。
さっきまでは動かなかったベルトコンベアの作動ランプが点灯した!奥には青、赤、紫の箱がある。
見つけた言葉のメモを5つある赤いボードに嵌めてみると、突然男が立ち上がってどこからか機械的な音声が!「ゴール」「に」「シュート」「を」「決めろ」
指示に従って動き出す男だが、なぜかシュートを決められない。他にも見つけた言葉で指示を出してみる。「こっち」「に」「本棚」「を」「入れろ」
意味がなければ指示を受け付けないようだ。「こっち」「に」「青い箱」「を」「持ってこい」とすると、青い箱をコンベアに載せて再び元の位置へ戻った。コンベアを使って受け取った青い箱の中には、
大量のマグネットが!なんじゃこれ。ここで停滞するチームが続出。とりあえずマグネットを色分けするチーム(確かに意味ありげでしたね)やコマンドを適当に試してみるチームも。「こっち」「に」「本棚」「を」「持ってこい」
重くて持てません。
「ほうき」「で」「エアギター」「を」「しろ」「部屋」「で」「ヨガ」「を」「しろ」「部屋」「で」「リラックス」「を」「しろ」もちろん、全然脱出の手がかりとはなりません。
「こっち」「に」「夢と希望」「を」「持ってこい」それは無理です。
「右手」「で」「ボタン」「を」「押せ」男がすぐ横の緑のボタンを押したら、緑の回転灯が光った。フロアにある赤いボタンを押してみると赤が光るが、反対側の黄色のボタンの押し方が分からない。
そうこうするうちに謎の黒いボードのある部分だけ、マグネットが着くことが判明!
275!数字だ。三桁の数字は、青い金庫の鍵のはず!
開いた!中にはマイナスドライバーと赤い箱のカード。すかさずコマンド。「こっち」「に」「赤い箱」「を」「持ってこい」
中にはカードがぎっしり!
え?転職って。「サッカー選手」「に」「転職」「を」「しろ」まさか。
転職した!ということは、もう一回!「ゴール」「に」「シュート」「を」「決めろ」
おぉなんか顔つきが違う!
決まった~!ゴーール!ピロリン♪
壁際にあった謎の機械の電源が入ったようです!
IN、IN、OUT。どうやら何かを入れたらいいようだ。
と、最初に持っていたメモをもう一度読み返してみる。……私は漢字遊びに興じている。ここはまぶしすぎる。闇を作り出すためにはどうすればいいだろうか?……闇を作り出すには、ということで、試しに「門」のカードと「音」のカードを入れてみると、またまたどこからか機械的な音声が流れてきた。
「門のカード、音のカード。合成します。」
おお、合成!
「闇」のカードGET!コマンド「部屋」「を」「闇」「に」「しろ」
えー、この後室内が真っ暗になって写真がありませんので、ほんのちょっとだけですが映像でご覧ください。
で、この4桁の数字は、もうひとつの金庫の鍵!
中には、緑のリボンと「僧侶」のカード。現状では使い道が分からないので一時保留…。舞台上に残っている最後の箱を持ってくるには「紫の箱」というカードが必要で、手元にあるのは「青い箱」と「赤い箱」。「青い箱のカード、赤い箱のカード。合成します。」
来た!「紫の箱」のカード。他にも「マイナスドライバー、マイナスドライバー。合成します。」→プラスドライバーが作れました。
紫の箱にかかっていたチェーンをさっきのプラスドライバーで外すと、赤い本が入ってた!
本棚をよく見ると、ちょうど一冊分の隙間があります。
赤い本をあっちに送って、コマンド「本棚」「に」「赤い本」「を」「入れろ」
と、ピロリン♪という音と同時に
カーテンが開き、
血塗れの死体が現れた!えー、予想以上にショッキングな絵面になってしまい、悲鳴はおろか泣いてしまう人も出現してしまいました。すみません…。次の写真はもっとアップなので、嫌な人はクリックしない方がいいです。
死体が出てきてしまって、いったいどうしたらよいのか?と思いつつも、今出来ることは、紫の箱の中にあったもうひとつの計算パズルを解くこと。答えを出して、再び部屋の四方に散らばってみると、
合成ボックスに映像が!
踊る男?
と、突然男がある一点を指しだす。よく見ると★印になっている。そういえば、マグネットの中にひとつだけ★印のものがあった!
その一箇所だけマグネットが着きました。
すると、合成ボックスから巻物?が登場。この絵は…!
どうやら奇跡を起こす方法みたいだ。僧侶に転職して生き返らせる!コマンド「僧侶」「に」「転職」「を」「しろ」
ほうきに緑のリボンを巻きつけてコンベアで向こうへ。コマンド「右手」「で」「ほうき」「を」「持て」
が、何も起こらない。
全員で祈りを捧げる。すると、
僧侶が祈ると同時に荘厳な音楽が!
死体が動き出す!!
復活!奇跡が起きた!
死体(もう死体じゃないですね)の胸ポケットに緑の封筒が!コマンド「こっち」「に」「緑の封筒」「を」「持ってこい」封筒の中身は、「いっせーのーで」というカード。コマンド「いっせーのーで」「で」「ボタン」「を」「押せ」
「いっせーのーで!」タイミングを合わせて赤いボタンを押すと、
三つの回転灯が!ピロリン♪
おぉ、これはまさか!コマンド「こっち」「へ」「最後の鍵」「を」「持ってこい」
やったー!脱出成功~!
以上、これが第2回目の脱出の全貌でした。全14回で脱出できなかったのが3チーム。最速は50分弱で脱出したところもありました。
今回はご覧になられた通り、リアルにコマンドアドベンチャーを実現させる。というのが裏設定でした。お楽しみいただけましたでしょうか?
次回は春の予定。またまた今回とは全く違った謎をご用意する予定です!ぜひご期待ください。
↓おまけ
大活躍のヨーロッパ企画の二人。右) 主演、といっていいでしょう!サッカー選手であり僧侶役の松田直樹。第1回に続いての出演でHEP HALLからの脱出の主要キャラクターとなりました。次もあるのか?左) 助演の死体役であり、舞台セットを手がけた酒井善史。復活の場面では無駄に迫真の演技を見せてくれました。
↓おまけ2
今回うれしかったことのひとつに、元祖脱出ゲームともいえる「クリムゾン・ルーム」とコラボできたことがあります。映像だったり、部屋の額縁などが、実は「クリムゾン・ルーム」のアイテムそのまま使用させていただきました。中には映像が映った瞬間に「クリムゾン・ルームや!」という人も。あと、重要アイテムの赤い本は、実は「クリムゾン・ルーム」の小説だったのですが、多分ほとんど全員が気づかず。まぁ、そんな余裕はありませんでしたよね。上の写真は、20日のスペシャルトークショウの様子。脱出ゲームの生みの親、高木敏光さんと、リアル脱出ゲームを作ってしまったSCRAPの編集長、加藤さんによる脱出対談。僅かの時間でしたがクリエイター同士のとってもいいお話が聞けました。この模様は近々どこかで公開されるかもですよ。