過去のHEP HALLのイベント情報です    

劇団態変

劇団態変

「ニライカナイ -命の分水嶺」

劇団態変の身体が、切実に、身体あることこそを祝福せんと世に突きつける
ニライカナイの調べにのせた渾身の舞台

身体障碍者にしか演じられない身体表現を追究、その高い芸術性で国内外を問わず評価を得ている劇団態変が登場。
幼少期を施設で過ごした主宰・金滿里は、その場に横たわる優生思想、あるいは一部の命の存在を消し去ろうとする社会システムを肌で感じ取り、施設を出てからもその危険性には警告を発し続けてきました。現代の都市生活では、「役立つ生命」「不要な生命」を勝手なふるいにかけるヘイトクライムがますます横行。片方を肯定し、片方を消し去ろうとする。そんな窮屈で、誰にとっても逃げ出したくなるような社会とは一線を画する世界像を、沖縄の大自然が育んだ「ニライカナイ」という思想を元に探すことはできないか、そんな願いを原動力に、金滿里自らの施設体験に基づくイメージと、沖縄の大自然から得た生命観、二つの時空をダイナミックに行き来する、極私的冒険ストーリー。

大自然の原理はありとあらゆる相対するものに取り囲まれながら、活き活きと呼応しながら厳しい共生と自然淘汰のしのぎあいを、惰性無く活動している様である。
だが、我々都市型人間は、その一方にしか身を置けず実感を伴えない社会形成の不自由さの中に囚われていて、その範疇で他者が決めた命のふるいに分けられることを善しとしている。
単に、命の価値は、半球の容器に満たんに入れられた水が、片方へ傾くに溢れ出し減っていくかのように、いらないものを追い出して成立しているのでは断じてない。

見よ、地球が容器となる、穹窿を
天を蒼穹とし、仰ぎ見る太極には、宇宙から降り注ぐ気体のシャワー
片方に傾き溢れ出た命の水は他界へと退けられたかのように見えても、その隙間には蒼穹の気体が満たす
宇宙と地球を半分に割った穹窿の関係
そのようにして常に、循環の中に命はあるのだ

金滿里

日時
2017年3月24日(金)〜26日(日)

3.24(金)19:30
3.25(土)13:00★1 / 18:30★2
3.26(日)13:00★3
★印の公演終演後、金滿里とのアフタートーク有り 
ゲスト/★1=大黒党ミロ  ★2=小堀純 ★3=わかぎゑふ
※受付開始は開演60分前、開場は30分前より
料金
一般 前売 3,500円 当日 4,000円  
障碍者・介助者・シルバー(70歳以上) 3,000円
U-22(22歳以下) 2,000円
※劇団態変賛助会員証提示で各500円受付にて払戻し
※各種割引は当日受付にて要証明書提示
※障碍者割引は障碍者手帳をお持ちの方・介助者は障碍者と同伴の方おひとりまで
※車イスのまま観劇いただける席は、席数限定。要事前予約・劇団態変でのみ受付
[当日着順自由席]
キャスト
作・演出・芸術監督/金滿里
音楽/サエキマサヒロ(各種弦楽器他) 児嶋佐織(テルミン他) SANgNAM(DJ・selector)
出演/金滿里 小泉ゆうすけ 下村雅哉 向井望 松尾大嗣 小林加世子 田中喜基 廣川景亮 渡辺綾乃 
関連サイト
劇団態変WEB 
プロフィール

劇団態変(げきだん たいへん)
1983年の旗揚げ以来、主宰・金滿里の「身体障碍者の障碍自体を表現力に転じ、未踏の美を創り出すことができる」という着想に基づき、身障者自身が演出し、演じる劇団として活動する。その高い芸術性へは定評があり、活動歴は世界的にも稀に見る長さとなっている。 劇団自体の一貫してのテーマは、世界の人類史に於ける優生思想の価値観を、根底から転倒させるぐらいの身障者の身体表現、である。そうでなければ芸術の意味は無いとまでの強い自覚を持ち、人間の身体に対する違う価値の提示を行なう舞台身体表現を目指している。取る表現は、創立より「劇団」と名乗っているが台詞演劇ではない。立つパフォーマーは立ち姿勢での表現も使うが、座るパフォーマーは車イスにも乗らずダンスフロアーに直接身を投げ出し、這ったり転がったりしながら身体を床面に接触させ、概ね低い位置で舞台表現を構成させる身体表現である。 海外公演は、1992年のアフリカ・ケニア招聘公演を皮切りに、エジンバラフェスティバル・フリンジ3年連続参加(1996〜1998年)、ベルン招聘公演、ベルリン・シュツットガルト招聘公演、韓国では実行委員会との共同公演、と世界中を駆け巡って来た。

金滿里(きんまんり)/芸術監督
日本で活躍した韓国古典芸能家・金紅珠の末の娘として生まれる。3 歳でポリオに罹患、全身麻痺の重度身障者となる。1983年劇団態変を旗揚げ、身体障害者の障害そのものを表現力に転じた身体表現芸術を世界に先駆けて創出してきた。劇団態変では、一貫して芸術監督を務め、これまで一作を除く、全作品の作・演出を手掛けている。また、自らのソロ公演を含めたほとんどの作品に出演もしている。身体の存在性から表現を引き出すワークショップも開催し、主宰する「金満里身体芸術研究所」では、障害者・健常者を含めた研究生に指導をしている。2001年には、英国エジンバラで9日間のプロ俳優養成講座を指導、2005年より3年間マレーシアの身体障害者への表現指導および公演演出を手掛けている。 
著作に「生きることのはじまり」(筑摩書房)・「身体をめぐるレッスン(1)夢みる身体」寄稿(岩波書店)など。映画出演に「靖国・地霊・天皇」大浦信行監督(2014年)がある。

フライヤー
劇団態変チラシ表 劇団態変チラシ裏
映像